福岡の社労士(社会保険労務士)深川です。
「仕事内容や責任の範囲が変わらないのに、基本給が6割を下回るのは不合理」
10月28日の名古屋地裁の判決(名古屋自動車学校事件)です。定年後再雇用者への一時金が正社員の賞与を大幅に下回ることや、教習の時間数に応じた手当などの減額についても不合理と認め、計625万円の支払いを命じました。
基本給が相対的に高い大企業の中には、定年前の4~5割にしているところもあり、かなりの影響が出るだろうと考えられています。(高裁、最高裁まで争われる可能性あり)
以前、中小企業でも6割程度にしているところがかなりありました。60歳から年金が支給されることを前提に、雇用継続給付金と併せて、手取り額が定年前と変わらない程度にするという賃金がもてはやされていたからです。給与を多く支給してもその分年金が減額されるという制度(在職老齢年金制度)により、「6割程度」の賃金相場は補強されていました。
この世間相場の「6割程度」基準を、名古屋地裁は踏襲したのでしょうか。わかりませんが、年金支給(現在定年を迎える社員は63歳まで支給なし)という前提が無くなっている現在、あまり納得性はないような気がします。(多くの企業で、年金支給を前提とした賃金の見直しが行われています)
「元氣の源通信」「労働・助成金情報特急便」「ニュースレター」11月号を掲載しています。
「元氣の源通信」では、「同一労働同一賃金」との関連で、10月13日、15日の最高裁判決を取り上げています。一言でいえば、基本給と関連する賞与や退職金については、経営の裁量を大幅に認め、諸手当、休暇等については、かなりきびしく「同一賃金」等を求めるという姿勢です。
「労働・助成金情報特急便」第96号では、「ストレスチェック制度」を取り上げています。今般メンタル不調に陥る従業員が多くなっています。それを予防する生活習慣や職場環境づくりが求められています。
「ニュースレター」11月号は、「健康保険の被扶養者の範囲と収入の基準」など掲載しています。
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